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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻5号

1987年05月発行

文献概要

今月の主題 内科医に必要な救急治療 おもな救急疾患とその治療

熱射病

著者: 八幡孝平1 吉岡敏治1 杉本侃1

所属機関: 1大阪大学医学部付属病院・特殊救急部

ページ範囲:P.876 - P.877

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 熱中症は重症度に応じて熱痙攣,熱疲労(日射病),熱射病に分類される.熱痙攣は著しい発汗に対して水だけの補給に伴う電解質異常によって生じる.熱疲労は発汗,体温上昇による末梢血管拡張の結果,十分な組織血流が得られなくなる相対的な循環血液量の低下状態であるが,昏睡に至ることはなく,体温は39℃以下である.この段階の熱中症は適切な治療(涼しい所での休息,水分・塩分の摂取)で回復する.
 これに対して熱射病は視床下部の体温調節中枢や汗腺の機能も衰退した最重症の病態である.昏睡状態で発汗は減少し,体温は上昇し続け,40℃を越える.体温が高いほど死亡率は高く,高熱により細胞・組織が障害され,さまざまな合併症や後遺症が認められる.熱射病は早期診断と早期治療が極めて重要でかつ全身管理の必要な重篤な病態である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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