medicina24巻8号

1987年08月発行

今月の主題 膠原病診療の実際 治療方針のたて方とすすめ方

Overlap症候群とMCTD

著者： 宮脇昌二¹

所属機関： ¹岡山大学医学部・第3内科

ページ範囲：P.1398 - P.1399

　今日わが国では混合性結合組織病（MCTD）の厚生省研究班（班長・粕川禮司教授）が結成され，診断，疫学，病因，治療などに関する研究が行われている．MCTDの診断に関しては本特集の別項で粕川教授らによって述べられるため割愛するが，治療指針を考察する際に明確にしておくべきことは，Overlap症候群（O-L）とMCTDとの関連性をどのように把握するかという点である．この点に関して今日わが国においては2つの考え方があるため，以下まずこれらを概説して筆者のとる立場を明らかにし，以後治療指針に触れてみたい．