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雑誌目次

雑誌文献

medicina24巻9号

1987年09月発行

雑誌目次

今月の主題 肝硬変と肝癌

理解のための10題

ページ範囲:P.1650 - P.1652

肝硬変の病態と対策

診断のすすめ方

著者: 井上恭一

ページ範囲:P.1534 - P.1536

 肝臓は肝心あるいは肝腎ともいわれるごとく,人間が生命を営んで行く上できわめて重要な臓器であり,すべての肝疾患の終末像ともいえる肝硬変においては,肝障害に起因する直接的な臨床症状,検査成績の異常を呈するのみではなく,全身各種臓器の障害に伴う多彩な臨床像を呈することとなる.したがってConn1)によって述べられている,"To know cirrhosis is to know medicine"という言葉は正鵠を射たものである.ここでは肝硬変を診断する上でとくに重視すべき臨床症状,検査方法について解説する.

腹水・浮腫

著者: 川崎寛中

ページ範囲:P.1538 - P.1539

 肝硬変では門脈圧亢進,血漿膠質浸透圧低下,Na・水の調節障害などにより腹水と浮腫が出現してくる.近年,肝硬変における腹水・浮腫は腎血行動態や体液性因子との関連から検討され,その成因,治療を巡って種々の進歩がみられる.

黄疸

著者: 足立幸彦 ,   胡桃良章 ,   小林宏明 ,   伊藤正 ,   山本俊夫

ページ範囲:P.1540 - P.1542

 肝硬変症における黄疸は,腹水や食道静脈瘤とともに,疾患の重症度を示す指標となっており,病態,予後の判定において大切である.

出血傾向

著者: 岡部和彦 ,   加藤行雄

ページ範囲:P.1544 - P.1546

肝硬変と止血機構
 止血機構には一次止血と二次止血がある.一次止血とは血管の一次的障害に対し,障害された血管内皮が癒着・収縮し,露出した内皮下組織,とくにコラーゲンや細線維に血小板が粘着し,さらに別の血小板が凝集する止血機構である.この血小板凝集には,血小板から放出されるADPや,アラキドン酸代謝産物のトロンボキサンA2などが関与する.血小板減少や血小板粘着・凝集能低下では一次止血が障害され,止血時間が延長する.血小板数と出血の関係は必ずしも直線的ではない.
 一次止血に続いて凝固機転が関与し,フィブリンが生成され,強固な止血栓が形成される.二次止血である.止血栓は線維芽細胞の増殖により組織化され永久止血が完成する.

肝腎症候群

著者: 奥野忠雄

ページ範囲:P.1548 - P.1549

定義
 肝腎症候群(HRS)は腹水を伴う肝硬変でみられる重篤な合併症である.その原因は明らかな腎障害の原因もなく,高度のナトリウム貯留と乏尿を伴った進行性の尿毒症であり,腎の血流障害がその原因と考えられる.腎臓には形態学的な異常を認めない.

上部消化管出血

著者: 高瀬靖広 ,   小林幸雄

ページ範囲:P.1550 - P.1552

 肝硬変症における消化管出血は,肝不全への道程を修飾する要素の1つである.臨床的には大量出血になり易いことと,止血してもしばしば反復する傾向にあることから,一般に面倒な出血という印象を与えている.しかし,状態を把握して対処すれば末期例を除いてかなり出血をコントロールすることができる.

肝性昏睡

著者: 渡辺明治

ページ範囲:P.1554 - P.1556

診断と臨床病型
 肝機能異常,意識障害,肝性口臭,羽ばたき振戦,高アンモニア血症や脳波異常(高振幅徐波と三相波)などを参考にして肝性昏睡と診断することが多く,その重症度は昏睡度分類に従うのが一般的である(表1).肝性昏睡時にみられる精神神経症状はいずれも非特異的なものであり,肝疾患のあることが前もって明らかでない場合には,頭蓋内病変や他の代謝性脳症(糖尿病性昏睡や尿毒症)などとの鑑別が必要となる.
 肝硬変例でみられる肝性昏睡には,繰り返し意識障害発作を生じる「慢性(再発)型」と,新たな原因あるいは誘因が加わり,急速に肝不全に陥ったと思われる「急性型」に大別される(表2).前者は,腸管内で産生される有毒物質(アンモニア,メルカプタンやインドールなど)が門脈-大循環系短絡路を経て直接脳に達し,主として異常行動を示す病型であり,肝機能異常が比較的軽度で,経過が長く,治療にも反応し易い.後者は,さらに,代償期にウイルス肝炎(輸血後肝炎も含む)や薬物・アルコール性肝障害が加重したacute-on-chronic,あるいは全身火傷など重症外傷や手術後に生じる肝不全(肝性昏睡),さらに非代償期に消化管出血などを契機に昏睡に陥る末期型(日常しばしば遭遇する.黄疸や腹水を伴う)に細分できる.最近の肝硬変の延命と手術適応の拡大などにより,術後肝不全(外科的肝不全)にみる肝性昏睡例が増加の傾向にある.

肝硬変患者の管理

著者: 安倍弘彦

ページ範囲:P.1558 - P.1559

 肝硬変の管理,治療にあたって問題となるのは,その原因と重症度である.
 肝硬変の進展や予後は,その原因によっても異なり,管理,治療方針も異なってくる.原因を可及的に除くことにより,活動性の病変を非活動性とし,病変の進行を抑制できる.重症度に関しては代償期と非代償期に分けて考えることが便利である.代償期では非活動性の病変を示し,通院治療が可能である.しかし,非代償期では腹水,黄疸,出血傾向,肝性脳症などの肝不全症状が出現してくるため,入院加療が必要である.

肝硬変から肝癌へ

肝癌発生のRisk factor

著者: 小林健一 ,   服部信

ページ範囲:P.1560 - P.1562

 本邦における肝癌の年間死亡数は約19,000人と見積られており,その90%は肝細胞癌である.したがって,本項では肝細胞癌(肝癌)のRiskfactorについて述べる.
 肝癌のRisk factor背景因子としては,これまでの研究から肝硬変,B型肝炎ウイルス,土壌中に含まれるカビ毒であるアフラトキシン,男女差,アルコールなどがあげられる(図1).特殊なものとして,トロトラスト,塩化ビニール,経口避妊薬(pill),日本住血吸虫なども原因として考えられている.

HBV感染と肝癌の発生

著者: 三田村圭二

ページ範囲:P.1564 - P.1566

 肝細胞癌(以下,肝癌)の病因として多くの因子が推定されているが,肝癌と肝硬変との関連が以前から認められ,肝癌の多くが肝硬変を伴っていることが明らかにされていた.
 さらに,成因がウイルス肝炎と推定される肝炎後性肝硬変の肝細胞癌が高率に発生し,肝細胞癌はウイルス肝炎を背景として発生する可能性が高くなった.ウイルス肝炎のうちでも,B型肝炎ウイルス(HBV)の本態が明らかにされ,HBV持続感染と肝癌との間に疫学的,臨床的,病理学的関連性が見出され,さらに分子生物学的検討がなされ,ウイルス肝炎-肝硬変-肝癌と連続的な関連性が推定されている.HBVのDNAがHBV持続感染者(キャリア)に発生した肝癌の細胞DNAに組み込まれていることが認められ,HBVと肝癌との病因的関連性は現在のところ,主としてウイルス発癌の観点から検討がなされているといえる.

非A非B型肝炎と肝癌

著者: 清沢研道 ,   古田清

ページ範囲:P.1568 - P.1569

 B型肝炎ウイルスと肝細胞癌との関連については,最近多くの知見が得られ,肝癌組織中におけるHBV-DNA(hepatitis B virus-DNA)の組み込みも報告されるようになり,その関連性が遺伝子レベルで明らかにされつつある.しかし非A非B型肝炎についてはウイルス抗原自体やその抗体を検出する決定的な方法もなく,厚いベールに包まれたままである1)

アルコール性肝硬変と肝癌

著者: 松田芳郎

ページ範囲:P.1570 - P.1572

 大酒家における肝癌の発生頻度は非飲酒家のそれに比して明らかに高く,その発生要因としては肝硬変の合併頻度の高いことが考慮されてきているが,近年,アルコール(Al)と肝癌との直接的な因果関係も注目されてきている.また,Al性肝硬変における肝癌の合併頻度は他の原因による肝硬変のそれに比較して明らかに低いのであるが,近年,その頻度の高くなってきていることも指摘されてきている.Al性肝硬変に伴う肝癌例では,単に合併した肝硬変に肝癌が続発したものにすぎないのか,それともAlが肝癌の発生になんらかの促進的役割を果たしたのかが問題となってくるが,現在までのところ明確な結論はまだえられていない.

実験肝癌のヒト臨床への応用

著者: 沖田極 ,   黒川典枝 ,   山崎隆弘

ページ範囲:P.1574 - P.1576

 肝臓の生物学的特性を考慮した実験肝癌の研究,換言すればヒト肝癌を意識したモデル実験の研究はα-フェトプロテインの発見以後といって過言ではない.肝細胞癌の頻度の高い本邦では,とにかく肝細胞癌の早期診断法の確立は重要であり,もし実験肝癌というモデル実験がそれに対してなんらかのヒントを与えてくれるならば,臨床家にとって大変意義深いものとなる.筆者はこのような観点から肝発癌研究を行っており,その概要について紹介してみる.

肝癌の診断

診断のすすめ方

著者: 中島猛行 ,   金井弘一

ページ範囲:P.1578 - P.1580

 画像診断法の発達により肝内小病変の発見される機会が増加している一方で,受診時にはすでに骨転移,肺転移などを伴う巨大な肝腫瘍を有している症例も決して少なくない.肝動脈塞栓療法(TAE)の出現により原発性肝細胞癌(以後肝癌)患者の予後が著明に改善している現在でも,このような進行癌患者に対する各種治療の延命効果は必ずしも良好とは言えず,とくに肝癌に由来する症状を自覚して受診した場合,癌はすでに広範囲に進展しており,TAEはおろか他の治療法も施行できないことが多い.したがって自覚症状が出現する以前に,いかに早く肝癌を発見できるかが臨床医に課せられた大きな課題であるとも言える.
 本稿では"肝癌の診断のすすめ方"について,1)肝癌の早期診断,2)進行肝癌の診断,3)偶然検診などで肝内腫瘤が発見された場合,の3項目にわけて述べることとする.

細小肝癌の病理

著者: 内田俊和 ,   島村善行

ページ範囲:P.1582 - P.1583

 肝癌には原発性と続発性(転移性)があり,原発性は更に肝細胞癌と胆管癌に分けられるが,本稿では肝細胞癌のみに触れる.
 細小肝癌の定義は国際的に取り決められていない.本邦では,一応直径3cmあるいは2cm以下の肝癌を細小(微小)肝癌としている.今後,肝癌の発生病理と進展様式,生物学的態度の一層の解明,および臨床的診断技術の進歩とあいまって,細小肝癌の定義が明確化していくと思われる.

腫瘍マーカー:アルファフェトプロテイン

著者: 青柳豊 ,   市田文弘

ページ範囲:P.1584 - P.1586

 肝細胞癌(HCC)の腫瘍マーカーとしてその有用性が確立し,最も広く用いられているアルファフェトプロテイン(AFP)の臨床的意義につき,筆者らの最新の知見も含め,以下に述べる.

異常プロトロンビン

著者: 藤山重俊

ページ範囲:P.1588 - P.1590

 肝細胞癌(HCC)の腫瘍マーカーとしては,α-fetoprotein(AFP)をはじめ,novel γ-GTPやvariant Al-Paseなどが有用とされ,臨床的に広く用いられている.しかし最近では,各種画像診断法の進歩などにより,比較的早期のHCCの割合が増加していることを反映してか,上述したマーカーの診断的価値は必ずしも満足すべきものではなく,更に実用的,かつ特異性の高いマーカーが待望されていた.
 異常プロトロンビンPIVKA-II(proteininduced by vitamin K absence or antagonist-II)は,肝細胞でのプロトロンビン(血液凝固第II因子)の生成に際し,ビタミンK欠乏ないし拮抗剤投与などによって,その前駆体のグルタミン酸残基(Glu)がGla(γ-carboxyglutamic acid residue)に転換され難いため,Glaを欠いたまま,あるいはGlaの含有量が少ない状態で血中に流出してくるものである.

画像診断

著者: 坂口正剛

ページ範囲:P.1592 - P.1597

 近年,肝癌の診断に占める画像診断の重要性が高く評価されている.事実,教室における成績では,108例の肝細胞癌(HCC)のうち75例が画像診断により初めてその存在が疑われている1).この高い評価は,一つには診断装置の改良に負うところが多い.
 本邦における各種画像診断装置の製品化の歴史をみると,核医学(RI)におけるシンチレーションカメラが1963年,超音波(US)の電子スキャナーが1976年,全身性computed tomography(CT)装置が1978年,magnetic resonance imaging(MRI)が1983年と,つい最近のことである.

肝細胞癌の血管造影診断

著者: 有山襄 ,   須山正文 ,   小川薫 ,   猪狩功遺 ,   長岩治郎 ,   藤井大吾

ページ範囲:P.1598 - P.1601

 肝細胞癌(HCC)は腫瘍血管が豊富で,血管造影では腫瘍濃染像としてみられるので小さなものまで診断できる.血管造影はHCCの診断と同時に抗癌剤動注,動脈塞栓術などの治療ができる利点がある.Digital subtraction angiography(DSA),細いhigh flow catheter,非イオン性造影剤の開発によって血管造影の施行が容易になった.

腹腔鏡・肝生検

著者: 針原重義 ,   関守一

ページ範囲:P.1602 - P.1604

腹腔鏡の意義
 腹腔鏡検査はびまん性肝疾患の診断,とくに肝硬変の診断に高い評価が与えられているが,局所性肝疾患の診断に対しても臨床的意義が大きい.肝癌の診断に対する腹腔鏡のメリットとして次のような点があげられる.
 ①肉眼的操作で目標生検が可能であり,癌組織採取による確定診断が可能なこと.

肝癌の治療

肝細胞癌に対する治療法の選択

著者: 岡崎伸生 ,   吉野正曠 ,   吉田孝宣

ページ範囲:P.1606 - P.1607

 近年における肝細胞癌の診断と治療法の変貌は著しい.慢性肝炎や肝硬変症患者を超音波検査やCTを組み合わせて注意深く経過観察することにより,2cm以下の肝細胞癌も容易に診断することができるようになった.治療の面では,肝切除術,TAE療法,エタノール局所注入療法や放射線療法など,治療効果の明確な方法の改良や開発があった.
 しかし,肝細胞癌は肝硬変症の終末段階での合併症である場合も少なくないので,肝細胞癌の治療計画は,肝細胞癌の進行程度ばかりではなく,合併している肝硬変症の病態も評価した上で決めなければならない.

肝癌に対する油性制癌剤動注療法

著者: 今野俊光 ,   大塚憲雄 ,   牧祥二郎 ,   山崎謙治 ,   岩井顕 ,   木村正美

ページ範囲:P.1608 - P.1611

 Lipiodol ultrafluid(以下Lipiodolと略す)を動脈内に投与すると選択的に肝細胞癌に長く停滞することを見出し(図1)1),このLipiodolの性質を利用し,Lipiodolを制癌剤のcarrierとして用いたtargeting chemotherapyの開発を試み,target-ingの成立とともに著明な抗腫瘍効果と副作用の軽減が得られたので報告する.

免疫療法

著者: 樋口清博 ,   井上恭一

ページ範囲:P.1612 - P.1614

 これまでの肝癌の免疫療法には,それ単独で治療に用いられるほど有効な治療法は存在していなかった.そのため,手術後あるいはTAE療法後に,また化学療法剤と併用して免疫賦活剤を使う場合がほとんどであった.しかし最近になり,細胞間の情報伝達に関与する可溶性因子である各種サイトカインの使用が可能となり,この状況が変わりつつある.
 癌の免疫療法として,これまで行われているもの,また考えられるものをまとめたのが表である.以下この表にそって,実際の肝癌の免疫療法に関して述べることとする.

エタノール局注療法

著者: 真島康雄 ,   谷川久一

ページ範囲:P.1616 - P.1618

 腫瘍内への超音波ガイド下エタノール局注療法,筆者らはこれをPEIT(Percutaneous EthanolInjection Therapy略称ペイト)と呼んでいる.肝細胞癌(以下HCC)に対する超音波ガイド下のPEITは杉浦ら1)の報告が最初で,その後各施設でも行われるようになった2〜4).その理由として,肝動脈塞栓療法(TAE)が非被膜型のHCC,被膜内浸潤または被膜外浸潤した肝癌細胞に対する効果が不確実であることや,TAEによる肝硬変合併HCCに対する3年生存率が必ずしも良くないことなどがある.一方PEITは肝機能に対する影響がきわめて小さく,小HCCでは被膜の有無にかかわらず確実な効果を期待できる.

温熱療法

著者: 福田善弘 ,   永田靖 ,   平岡真寛

ページ範囲:P.1620 - P.1622

 近年,癌に対する温熱療法(Hyperthermia:HT)に大きな関心と期待が寄せられている.HTは患部の温度を人為的に上昇させることにより,癌細胞を壊死させるものであり,その拠りどころとしているのは,(1)細胞レベルでは42℃以上の加温により生存率が急激に低下するが,この傾向は正常より癌細胞で強い.(2)癌組織では正常組織に比して,その環境(低栄養,低酸素,低pH),血管構築の特殊性により加温され易く,したがって癌が選択的に壊死に陥る,などである.HTは従来対象が表在性の癌に限られていたが,最近加温装置の改良,開発により深部にまで均一加温が可能となり,深部癌にも適応可能となった1).筆者らは当初より原発性肝細胞癌(肝癌)での局所HTに取り組んできた2, 3)ので,その臨床成績の現状を述べ,併せて今後の問題点にも触れ,HTを肝癌における集学的治療の1つの柱として将来につなげたい.

放射線療法

著者: 𠮷川正治 ,   高良健司 ,   江原正明 ,   大藤正雄

ページ範囲:P.1624 - P.1627

 近年の画像診断の進歩により小肝細胞癌が発見されるようになった.しかし,高率に肝硬変症を合併するため,手術などの根治療法が困難であるのが現状である.これら手術困難な肝細胞癌に対し,肝動脈塞栓術(TAE)が広く行われているが,娘結節,被膜浸潤,門脈腫瘍塞栓などへの効果が不十分であることが知られている.このような現況から,新たな治療法の開発および集学的治療が検討されている.ここでは肝細胞癌の放射線療法について,筆者らの治験例(リニアックを用いた外部照射法)を中心に述べることにする.
 肝臓への放射線療法は,1950年台より,主に転移性肝癌に対し行われてきた.肝臓は,比較的放射線感受性を持つ臓器とされており,Ingold1)は30Gy(10Gy/week)以上全肝に照射されると重篤な肝障害(Radiation hepatitis)を生じる危険性があると報告している.これは通常治療後2〜6週後に生じ,臨床的に肝腫大,腹水の出現,ALPの上昇などが見られる.組織学的には,肝静脈分枝の閉塞による中心静脈周囲の充血,肝細胞中の脂肪空胞の出現,肝細胞の脱落,さらに問質の線維化が生じることが知られている.肝細胞癌は,一般的に放射線感受性が低いとされており,放射線療法を肝細胞癌に応用した報告例2〜4)は少なく,その多くは進行癌を対象に,全肝照射が施行されていた(表).

手術療法

著者: 角田司 ,   瀬川徹 ,   土屋凉一

ページ範囲:P.1628 - P.1630

 近年肝臓外科の進歩は目ざましいものがある.US,CTなどの医療機器の発達,普及に加え,慢性肝炎から肝硬変に至る肝癌のhigh risk群に対する腫瘍マーカーや,画像診断による厳重なfollow upにより,最近では2cm未満の細小肝癌も診断され切除されるようになった.この結果5年以上の長期生存例も増加してきた.本稿では原発性肝癌の手術療法に対する現況と問題点につき述べる.

肝移植

著者: 野口孝 ,   横井一 ,   川原田嘉文 ,   水本龍二

ページ範囲:P.1632 - P.1634

 欧米では肝移植が日常の治療手段となっており,世界で行われた症例は今や3,000例に達するといわれている.しかるに,わが国では肝疾患の研究およびその治療に関して世界のトップクラスの水準にあり,肝癌については世界をリードする数多くの業績を有しているのにもかかわらず,肝移植は世界の趨勢に大きく遅れをとっているのが現状であり,臓器移植の開発向上に絶えざる努力をしていかなければならない.本稿では,肝癌に対する肝移植の成績を紹介し,わが国における問題点についても言及する.

座談会

肝硬変と肝癌

著者: 小林健一 ,   渡辺明治 ,   奥野忠雄 ,   井上恭一

ページ範囲:P.1635 - P.1648

 井上(司会) 先生方,今日はお忙しいところをお集りいただきましてありがとうございました.
 「肝硬変と肝癌」ということで,肝臓専門医の立場から見た現況と未来をお話いただくわけですが,第一線で研究,あるいは診療面でご活躍の先生方ですので,非常に有益な座談会になるだろうと期待しております.

Current topics

癌温熱療法

著者: 松田忠義

ページ範囲:P.1678 - P.1686

温熱療法の動向
 癌細胞が高温度に弱いことを明らかにし,癌患者の治療に応用した歴史は古い.しかし,有効な加温方法が見出されないまま長い間中断されていた.1960年台後半から系統的な研究が進められ,とくに10年ほど前から温熱療法の生物学および理工学の基礎研究がアメリカを中心に活発に行われ,癌治療における温熱療法の有用性の理論的根拠を明らかにしている.一方,わが国の温熱療法の研究は欧米よりも一歩遅れて始まったが,ここ4〜5年基礎と臨床の研究が活発であり,国際的水準を凌ぐ成果をあげている1).このようなめざましい発展には文部省と厚生省の研究班の指導的活躍と日本ハイパーサーミア学会の活動が大きく寄与している.この論文では温熱療法が有望な癌治療として期待できる理論的根拠と,治療成績と臨床応用の特長について,厚生省がん研究助成金松田班の共同研究成果から述べようと思う.

間質性肺疾患—とくにIdiopathic Pulmonary Fibrosis(IPF)をめぐって

著者: 泉孝英 ,   北市正則 ,   西村浩一 ,   長井苑子

ページ範囲:P.1688 - P.1700

 Interstitial lung disease(間質性肺疾患)なる用語は,1975(昭50)年6月に開かれた第18回Aspen Lung Conference1)の演題募集にあたって初めて用いられたものである.問質性肺疾患に対する関心の高まりは,さまざまの,また多彩な経過をたどる疾患群であるという臨床レベルからみた興味もあったであろうが,より直接的には,1974年Reynolds,Newball2)によって開発された気管支肺胞洗浄術(bronchoalveolar lavage;BAL)によって病態生理面での知見の急速な進展をみたことによるところがより大きかったと思われる.
 米国のNIH,デンバー・グループ,英国のBrompton Hospital,仏のINSERMグループを中心に得られた成果は,第28回Aspen Lung Conference(1985)3),Markfield Symposium(1986)4)において報告された他,Clinics in Chest Medicine5),Seminars in Respiratory Medicine6)の特集号に収録されている.

カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方

結合組織病皮膚病変のみかた(その1)

著者: 石川英一 ,   山蔭明生

ページ範囲:P.1656 - P.1657

 皮膚結合組織を病変の場とし,構成成分である膠原線維,弾力線維,ムコ多糖を含む基質に量的,質的異常を来す全身性疾患のうち,膠原病など既に他項で述べたものを除いたものについて皮膚病変の特徴を2回にわたって記述する.

グラフ 消化管造影 基本テクニックとPitfall

胃(13)—接吻潰瘍,線状潰瘍,穿通性潰瘍

著者: 西俣寿人 ,   西澤護

ページ範囲:P.1670 - P.1677

 西澤 今回は良性の胃潰瘍についてお話を伺いたいと思います.良性潰瘍では癌との鑑別が一番重要ですが,これについてはすでにこのシリーズで済んでおりますので,それ以外の問題点について考えてみますと,まず確実な拾い上げ診断,次にはその潰瘍がオープンか,瘢痕か,それに難治性潰瘍かどうか,それから一番難しいのは,出血や穿孔を予知できるかどうか,などの問題点が残っていると思います.まず,見つけ出し診断と,単発か,多発か,線状かというような性状診断からお話を伺いたいと思います.

MRIの臨床

胆嚢,膵,腎

著者: 西村一雅

ページ範囲:P.1666 - P.1669

 上腹部臓器のMRI診断は,肝に関してはX線CTとほぼ比肩しうるレベルに近づいているが,胆道系,膵疾患また腎疾患に関しての評価はいまだに定まっていない.ここでは筆者らの経験をもとに,現在MRIで何が見えて何が見えないのかを紹介する.筆者らの用いているMRI装置は,GE社製超伝導1.5テステの装置である.ハルス系列はT1強調像としてPartial Saturation法(PS)でTR=600msec,TE=25msec,信号加算4回,プロトン密度強調像,T2強調像としてSpin-echo法(SE),TR=2,000msec,TE=20/60msec,信号加算2回を用いている.スライス厚はすべて5mmで,撮像マトリックスは256×256である.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.1659 - P.1665

—内科専門医による—実践診療EXERCISE

高血糖,無月経/胸痛,腰痛

著者: 野崎道郎

ページ範囲:P.1701 - P.1704

 39歳,女性,未婚.既往歴:特記事項なし.家族歴:糖尿病(-).8年前より近医にて高血糖を指摘され,5年前より中間型インスリン20単位を投与されていたが,コントロールは不良であった.3年前より無月経となった.6ヵ月前に眼底出血あり眼科受診,血糖コントロールが不良であったため内科受診した.ここ1年間で20kgの体重増加を認め,靴がはきにくくなっている.乳汁分泌(-)
 診察:身長154cm,体重64kg,単純性肥満,脈拍74/分,整.血圧110/70mmHg,皮膚に発疹,色素沈着を認めず,体毛も正常である.下顎部軽度突出,甲状腺腫(-),胸部打聴診上異常なし.腹部軟,肝2横指触知,深部反射および振動覚正常,下腿浮腫(-)

心電図演習

51歳男性.安静時および午前中の軽労作での胸痛発作を主訴として入院

著者: 上原哲史

ページ範囲:P.1705 - P.1707

既往歴:48歳,十二指腸潰瘍.喫煙20本/日,20年(48歳で禁煙)
家族歴:特記すべきものなし.

講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・17

Addison病・先天性副腎過形成

著者: 金子健蔵 ,   斉藤寿一 ,   葛谷健 ,   徳江章彦

ページ範囲:P.1711 - P.1720

 Addison病および先天性副腎過形成(副腎皮質ホルモン合成酵素欠損症)は副腎皮質に一次的な病因のある原発性(一次性)副腎皮質機能低下症の代表的疾患である.本稿では,これらの疾患の病態生理を概説する.

内科診療における心身医学的アプローチ

消化器疾患(3)—過敏性腸症候群,潰瘍性大腸炎

著者: 河野友信

ページ範囲:P.1722 - P.1725

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syn-drome,以下IBS)
 本症は,消化器外来で最も頻度の高い,機能性の疾患で,消化器病のcommon diseaseのひとつといってよい.そして,本症のほとんどのケースが心身症としての病態を有している.ということは,病態の形成に心理社会的な要因が関与しており,診断や治療に際して何らかの心理社会的側面からのアプローチが必要であるということである.しかし,臨床現場の状況をみると,本症は検査をしても異常所見のみられない機能性疾患であることや,死に至る病ではないことなどから,軽視されやすく等閑視されることが多い.とはいうものの,従来のようなdoctor orientedで,diseaseoriented,かつdiagnosis orientedの医療のあり方では,本症の約4割を占める中等症以上の重症例には対応できず,医療上,種々の困った問題が生じてきている.
 患者としての行動をとる本症の60%を超すケースは軽症といってよく,十分に検査をしたうえで,検査結果をよく説明して,器質性の病気として重症でないことを保証し,対症療法としての薬物療法をすれば,医療の場からは去っていくものである.そして,このようなケースの結末は,

検査

検査データをどう読むか

著者: 中井利昭

ページ範囲:P.1726 - P.1728

 症例:67歳,女性.
 主訴:意識障害.
 既往歴:特記すべきことなし.

循環器疾患診療メモ

急性心膜炎の心電図所見

著者: 山科章 ,   高尾信廣

ページ範囲:P.1708 - P.1709

 急性心膜炎が臨床的に診断されることは稀(入院1,000人あたり1人)であるが,全剖検例の2〜6%になんらかの心膜炎症所見を認め,決して稀な疾患ではない.臨床上の見落としが多いと考えられるが,その診断において最も重要である心電図所見のポイントについて解説する.

新薬情報

アバン〔武田薬品〕 一般名:イデベノン—脳代謝・精神症状改善剤

著者: 清川重人 ,   水島裕

ページ範囲:P.1730 - P.1731

概略
 老齢人口は,近年,著しく増加しており,新しい老年病治療薬の開発,なかでも脳血管障害(脳卒中)に対する治療薬の開発が強く要望されている.また,その後遺症の1つとして,記憶障害(痴呆)が重要な社会的,医学的問題となっている.武田薬品では,この記憶障害を含めた脳卒中後遺症治療薬を目標として,強力なミトコンドリア機能賦活作用を有するベンゾキノン系化合物の合成に着手した.またこれと並行して,脳卒中易発症系高血圧自然発症ラット(SHRSP)の作出,ひき続き,記憶障害モデルの作製に努め,その後,多数合成されたベンゾキノン系化合物の中から,上記病態モデルを用いた薬効評価により,アバン(図1)が最も期待する薬理活性を有することを見出した.
 アバンは,脳エネルギー代謝を改善し,脳内グルコース利用率を亢進するという点ではホパンテン酸カルシウムに近似した薬剤であるが,その作用機序である脳ミトコンドリアの電子伝達系に作用して呼吸活性を賦活するという点では,ホパンテン酸カルシウムとは大きく異なる新規な薬剤と考えられる.臨床試験においては,脳血管障害を有する患者の諸症状に優れた効果を示した.また,痴呆を呈した患者の周辺症状に対する効果も認められ,安全性も高いことから,本剤は今後,高齢化社会に対応した新薬ではないかと思われる.

一冊の本

「Biochemistry of Disease」(Bodansky M and Bodansky O, McMillan, New York, 1939)

著者: 柴田進

ページ範囲:P.1729 - P.1729

「学校を出て内科医局に席を置く様になって間もなく私は打診・聴診及び触診など古い伝統的な診察法に頼り過ぎる自分の診療態度に不安と不満を感じ,何とかして受持の患者をもっと丁寧に調べ自分自身も心がやすまり,患者にも信頼される医師になりたいと考えた.しかしその当時は一体何を調べたらよいか見当がつかない有様だったし,現在あれから十何年もたっているのに他の人から"こんな患者はどう検査したらよいでしょうか"と相談を持ちかけられた時,即座に適切な返事ができなくて色々本や雑誌をひっくりかえして考えこむ始末である.この書物は斯の様な悩ましい私の心境と立場を切りぬけるため折にふれ書き集めたノートを整理充足したものであるから,いま"臨床生化学入門"と名づけて世に送り出される姿を見ると本当に愛しい気持になる」
 これは1952年に私が金芳堂(京都)から出して貰った書物の自序の一部でありますが,それを読み直してみて,自分はいま思いがけない学問の領域に迷い込んだものだと感慨に打たれています.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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