icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina24巻9号

1987年09月発行

今月の主題 肝硬変と肝癌

肝硬変から肝癌へ

HBV感染と肝癌の発生

著者: 三田村圭二1

所属機関: 1東京大学医科学研究所・感染症研究部

ページ範囲:P.1564 - P.1566

文献概要

 肝細胞癌(以下,肝癌)の病因として多くの因子が推定されているが,肝癌と肝硬変との関連が以前から認められ,肝癌の多くが肝硬変を伴っていることが明らかにされていた.
 さらに,成因がウイルス肝炎と推定される肝炎後性肝硬変の肝細胞癌が高率に発生し,肝細胞癌はウイルス肝炎を背景として発生する可能性が高くなった.ウイルス肝炎のうちでも,B型肝炎ウイルス(HBV)の本態が明らかにされ,HBV持続感染と肝癌との間に疫学的,臨床的,病理学的関連性が見出され,さらに分子生物学的検討がなされ,ウイルス肝炎-肝硬変-肝癌と連続的な関連性が推定されている.HBVのDNAがHBV持続感染者(キャリア)に発生した肝癌の細胞DNAに組み込まれていることが認められ,HBVと肝癌との病因的関連性は現在のところ,主としてウイルス発癌の観点から検討がなされているといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら