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文献概要
今月の主題 肝硬変と肝癌 肝癌の治療
放射線療法
著者: 𠮷川正治1 高良健司2 江原正明3 大藤正雄3
所属機関: 1社会保険船橋中央病院・内科 2船橋市立医療センター・内科 3千葉大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.1624 - P.1627
文献購入ページに移動肝臓への放射線療法は,1950年台より,主に転移性肝癌に対し行われてきた.肝臓は,比較的放射線感受性を持つ臓器とされており,Ingold1)は30Gy(10Gy/week)以上全肝に照射されると重篤な肝障害(Radiation hepatitis)を生じる危険性があると報告している.これは通常治療後2〜6週後に生じ,臨床的に肝腫大,腹水の出現,ALPの上昇などが見られる.組織学的には,肝静脈分枝の閉塞による中心静脈周囲の充血,肝細胞中の脂肪空胞の出現,肝細胞の脱落,さらに問質の線維化が生じることが知られている.肝細胞癌は,一般的に放射線感受性が低いとされており,放射線療法を肝細胞癌に応用した報告例2〜4)は少なく,その多くは進行癌を対象に,全肝照射が施行されていた(表).
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