文献詳細
文献概要
実践診療do's and dont's【新連載】
Ca拮抗剤の中止に要注意!,他
著者: 代田浩之1
所属機関: 1順天堂大学・循環器内科
ページ範囲:P.38 - P.38
文献購入ページに移動 安静時胸痛を訴える42歳の男性が冠動脈造影の目的で入院してきた.半年前から時々早朝起床時に胸部の圧迫感を自覚し,外来でCa拮抗剤を投与されて以後発作は消失していたという.負荷心電図は陰性で,発作中の心電図も捕えられていなかった.冠攣縮性狭心症と思われたため,カテーテル検査に備えてCa拮抗剤を中止し,検査中に必要があればエルゴノビンテストを行う予定でいた.検査日は翌日であったが,その早朝午前4時頃から胸部圧迫感が出現し,ニトログリセリンを服用して一時的には治まるものの,その後も断続的に続いたため,当直医が呼ばれた.胸痛時の心電図ではVl1〜4のST上昇を認めた.ニトログリセリンの舌下では発作を十分に抑えられず,ニトログリセリンの点滴静注で発作は消失した.その日の冠動脈造影ではLADのSeg. 7に冠攣縮が証明された.
Ca拮抗剤のwithdrawal syndromeは狭心症状の増悪だけでなく,それに伴う不整脈,ときには心筋梗塞の発症や突然死につながることもあり,入院中はもとより,外来ではより注意が必要である.Ca拮抗剤の中止に際しては慎重に漸減してゆくこと,やむを得ずすぐに中止せざるをえない場合にも厳重な監視下に行うことが大切である.
Ca拮抗剤のwithdrawal syndromeは狭心症状の増悪だけでなく,それに伴う不整脈,ときには心筋梗塞の発症や突然死につながることもあり,入院中はもとより,外来ではより注意が必要である.Ca拮抗剤の中止に際しては慎重に漸減してゆくこと,やむを得ずすぐに中止せざるをえない場合にも厳重な監視下に行うことが大切である.
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