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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻1号

1988年01月発行

今月の主題 白血病とリンパ腫

合併症の治療

骨髄抑制出血傾向への対策

著者: 椿和央1

所属機関: 1近畿大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.94 - P.95

文献概要

 近年,白血病,悪性リンパ腫に対する治療成績は著しく向上しているが,これには抗腫瘍剤の新しい開発だけでなく,出血および感染症に対する補助療法も大きく貢献している.
 全国造血器腫瘍登録調査報告によると,1972年から1977年の間に出血が原因で死亡したのは急性白血病で800/2,330例(34.3%)であり,とくに前骨髄球性白血病では,播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併のための死亡が約60%にも達している.致死的な出血は,頭蓋内,消化管,肺の順で多い.しかし最近の白血病では,死因としての出血死は確実に減少している.この理由は,強力な抗腫瘍剤投与による強い骨髄抑制のため,顆粒球系細胞の減少に起因する感染症死が相対的に増加したことと,血小板輸血が普及して出血に対処することができるようになったことであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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