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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻1号

1988年01月発行

文献概要

新薬情報

経皮吸収型非ステロイド性抗炎症剤

著者: 清川重人1 水島裕1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科

ページ範囲:P.174 - P.175

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■概略
 非ステロイド性抗炎症剤は,ステロイドと同等の効果を示し,しかも全身的な副作用の少ない薬剤を目的として開発されてきた薬剤である.現在,多くの非ステロイド剤が開発され使用されてきているが,最近では,薬剤を確実に目標部位に輸送するというドラッグデリバリー(drug delivery system;DDS)という概念から,剤型上の工夫,投与ルートの工夫などが検討されている.経皮吸収型非ステロイド性抗炎症剤もこのような考え方により研究開発されてきたものである.
 経皮吸収型非ステロイド性抗炎症剤の歴史は比較的新しく,1975年インドメタシン軟膏が発売されたことから始まり,今回紹介する3製剤を加え,現在4製剤のみが発売されている.経皮吸収剤の利点としては,胃腸を通過することなく吸収されるので,経口剤でしばしば問題となる消化器系の副作用を避けることができる.吸収後肝を通過せずに目的局所に達するため肝での代謝を受けない,経口投与より高い局所濃度を得ることができるため,より高い効果が期待できる,さらに血中濃度は経口投与に比べ非常に低いため全身的副作用の心配がほとんどない,などである.経皮吸収型非ステロイド剤は,主に整形外科的疾患に対し用いられているが,慢性関節リウマチなどの全身的治療が必要な疾患に対しても経口剤を用い,その他のとくに局所に炎症,疼痛の強い部があるものに対して経皮吸収剤が用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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