icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 I.循環器

11.高血圧性心疾患

著者: 村松準1

所属機関: 1北里大学医学部・内科

ページ範囲:P.1704 - P.1706

文献購入ページに移動
■疾患概念
 NYHA(New York Heart Association)におけるThe Criteria Committee(1973)によれば,高血圧による心疾患(heart disease due to hypertension)は"持続性の拡張期高血圧があり,左室肥大または左室不全を伴うもの"とされている1)
 本態性または二次性の拡張期高血圧が長期にわたって存在すると,左室圧負荷の代償機構として左室肥大(求心性肥大)が生じ,さらに圧負荷が持続すると左室拡大(遠心性肥大)が起こる.そして左室心筋障害を伴うと左室不全が惹起される.また,冠動脈粥状硬化が合併しやすい.虚血性心疾患を伴うと,左室不全または重症不整脈がしばしば認められるようになる.このような,高血圧に伴う心障害の発現はきわめて多様であり,これらは総称して高血圧性心疾患と呼ばれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?