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増刊号 診断基準とその使い方 II.呼吸器
5.気管支喘息
著者: 木村啓二1 井上洋西1 滝島任1
所属機関: 1東北大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.1742 - P.1746
文献購入ページに移動気管支喘息とは,発作性の呼吸困難,喘鳴,咳嗽を主症状とし,種々の刺激に対する気道反応性亢進を特徴とする疾患と考えられている.現在,万人に認められている定義は存在しないが,American ThoracicSociety(1962)の定義が最も広く用いられている.以下,全文を引用する.
喘息とは,種々の刺激に対する気管および気管支の反応性亢進を特徴とし,広範な気道狭窄を示す疾患である.この気道狭窄の程度は,自然に,あるいは,治療の結果により変化する."喘息"という言葉は,急性ないし慢性気管支炎のような広範な気道の感染,肺気腫のような肺の破壊的疾患,あるいは,心血管系疾患のみから生ずる気管支の狭窄に用いるのは適当ではない.ここに定義した喘息は,他の心肺疾患患者でも起こりうるが,これらの患者に生ずる気道閉塞は,原因となる疾患より二次的に生じたものである.
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