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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 II.呼吸器

10.じん肺

著者: 斎藤芳晃1

所属機関: 1珪肺労災病院・内科

ページ範囲:P.1756 - P.1758

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■疾患概念と疫学
 じん肺症は「粉塵を吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾患」と定義される.線維化を引き起こすのは一般に無機粉じんであり,職業性に暴露されることが多い.粉じんの種類によりけい肺,けい酸塩肺(石綿,タルク肺など),炭坑夫じん肺,黒鉛肺,鉄肺,アルミニュウム肺などがある.線維増殖性変化は離職後も年余にわたる経過で進展し,それに伴い気管支炎,気管支拡張症,気胸が続発してくる.
 わが国には,じん肺に関し適正な予防および健康管理その他必要な措置を講ずることにより,労働者の健康の保持その他福祉の増進に寄与することを目的としたじん肺法がある.じん肺の定義は前記したように法律的に定められる.またじん肺と合併した肺結核その他(結核性胸膜炎,続発性気管支炎,続発性気管支拡張症,続発性気胸)のじん肺の進展経過に応じて,じん肺と密接な関係があると認められる疾患を合併症としている.また粉じん作業の範囲は,労働省令で定められ,じん肺法施行規則に詳細に規定されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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