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増刊号 診断基準とその使い方 II.呼吸器
14.肺血栓塞栓症
著者: 国枝武義1
所属機関: 1国立循環器病センター・内科心臓肺血管部門
ページ範囲:P.1770 - P.1771
文献購入ページに移動 肺血栓塞栓症は本邦では稀な疾患とされたが,近年,漸次臨床例の増加が報告されてきている.肺にはいわゆるフィルター作用があり,静脈系浮遊物を濾過して大循環系への移行を阻止する作用がある.このため肺は線溶系活性が高く,血栓性塞栓が起こっても単発性の小さいものは無症状か,あるいは症状があっても数日以内に溶解することが知られ,臨床で問題になることは少ない.
臨床で問題になるのはマクロのレベルの肺血栓塞栓であり,これらは明確な臨床症状を有し,その原因が肺塞栓症によることから,臨床有意(clinically sig-nificant)あるいは臨床顕性(clinically manifested)な肺血栓塞栓症といわれる.ここでは,これら臨床有意な肺血栓塞栓症の診断基準について述べる.
臨床で問題になるのはマクロのレベルの肺血栓塞栓であり,これらは明確な臨床症状を有し,その原因が肺塞栓症によることから,臨床有意(clinically sig-nificant)あるいは臨床顕性(clinically manifested)な肺血栓塞栓症といわれる.ここでは,これら臨床有意な肺血栓塞栓症の診断基準について述べる.
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