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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 III.消化管

5.Ménétrier病

著者: 正宗研1 千葉満郎1

所属機関: 1秋田大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1791 - P.1791

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■疾患概念と疫学
 Ménétrier病は,Ménétrierの論文「Des polyadenomes gastriques et de leurs rapports avecle cancer de l'estomac(Arch Physiol NormPathol 1:32-35,236-262,1888)」,「胃のpolyadenomeと,それと胃癌との関係」に記載された7例のうち2例を,胃の腺腫性ポリープが横に連続的に広がったものと解釈して,polyadenomesen nappe(ナプキンを広げたようなpolyadenoma)と呼称した疾患である.多賀須は,Ménétrier病を胃粘膜の著しい増殖によって,胃粘膜襞が脳回転様にまで巨大になった病変と定義している.病理学的に,Ménétrier病では脳回転様,胎盤様と表現される切除胃の肉眼所見がきわめて特徴的である.病変の占拠部位は胃体部大彎がほとんどで,幽門前庭部が冒されることは稀である.幅1.5cm,高さ3〜4cmにも達する,光沢のある巨大皺襞が深い溝で隔てられているほか,皺襞の上に深い切れ込みがあり,顆粒状を示している.かつ,粘膜表面は多量の粘液で覆われている.
 組織所見の特徴は,胃底腺領域を中心に固有胃腺,腺窩上皮の過形成による胃粘膜層の著明な肥厚である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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