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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 III.消化管

15.感染性腸炎

著者: 増田剛太1

所属機関: 1都立駒込病院・感染症科

ページ範囲:P.1816 - P.1817

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■疾患概念と疫学
 感染性腸炎は細菌,原虫,ウイルスなどの微生物を原因として急性に発症し,下痢を主体とした臨床像を示す腸管感染症である.腸チフスやパラチフスAは腸管感染症ではあるが,その経過中に菌血相を有し,高熱を主訴とする全身感染症の像を示すため,感染性腸炎の範疇に含めない.感染性腸炎では下痢のほか血便,腹痛,嘔気,嘔吐や発熱,全身倦怠感などを伴うことがある.
 細菌としては赤痢菌やコレラ菌のように他個体への感染力がきわめて強く,わが国で法定伝染病として扱われるもののほか,食中毒の原因菌としてサルモネラ,腸炎ビブリオ,カンピロバクター,エルシニア,エロモナス,さらに,抗生物質の投与が契機となって発症する抗生剤関与性腸炎(偽膜性腸炎)の原因菌とされるクロストリデイウム・デフイシルなどが列挙される(表1).また,原虫としては赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムが,ウイルスとしてロタウイルスなどが分離される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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