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文献概要
増刊号 診断基準とその使い方 V.内分泌
5.中枢性尿崩症
著者: 吉田尚1
所属機関: 1千葉大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1882 - P.1883
文献購入ページに移動■疾患概念と疫学
中枢性尿崩症は抗利尿ホルモン(ADH)欠乏のため著しい口渇,多飲,多尿を呈している状態である.ADHは視床下部室傍核および視索上核の神経細胞で作られ,下垂体後葉から血中に放出される.したがって視交叉から下垂体後葉にかけて存在する病変はすべて尿崩症を惹起する可能性がある.
病因は原発性(遺伝性,特発性)と続発性に大別される.病因を頻度の高い順に列挙すると,特発性,腫瘍,脳外傷となる.腫瘍としては,視交叉近傍を好発とする腫瘍,すなわち胚芽腫(異所性松果体腫),頭蓋咽頭腫,視床下部に進展した下垂体腺腫が重要である.遺伝性尿崩症の多くは0〜5歳に発症する.男女はほぼ同数である.常染色体優性遺伝型式の家系と,伴性劣性遺伝型式の家系が報告されている.特発性尿崩症の病因は不明であるが,選択的に視床下部下垂体後葉系が障害されており,自己免疫性疾患とする説がある.
中枢性尿崩症は抗利尿ホルモン(ADH)欠乏のため著しい口渇,多飲,多尿を呈している状態である.ADHは視床下部室傍核および視索上核の神経細胞で作られ,下垂体後葉から血中に放出される.したがって視交叉から下垂体後葉にかけて存在する病変はすべて尿崩症を惹起する可能性がある.
病因は原発性(遺伝性,特発性)と続発性に大別される.病因を頻度の高い順に列挙すると,特発性,腫瘍,脳外傷となる.腫瘍としては,視交叉近傍を好発とする腫瘍,すなわち胚芽腫(異所性松果体腫),頭蓋咽頭腫,視床下部に進展した下垂体腺腫が重要である.遺伝性尿崩症の多くは0〜5歳に発症する.男女はほぼ同数である.常染色体優性遺伝型式の家系と,伴性劣性遺伝型式の家系が報告されている.特発性尿崩症の病因は不明であるが,選択的に視床下部下垂体後葉系が障害されており,自己免疫性疾患とする説がある.
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