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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 V.内分泌

36.グルココルチコイド不応症

著者: 名和田新1

所属機関: 1九州大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1936 - P.1937

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■疾患概念
 1976年オランダのVingerhoedsら1)は,高コルチゾール血症を示すにもかかわらずCushing症候群の特異的諸徴候を全く示さない父子例を最初に報告した.米国NIHのChrousos2),Lipsettらはこの症例を詳細に検討し,コルチゾール不応症の原因はグルココルチコイド受容体(GR)異常によることを明らかにし,原発性コルチゾール不応症と呼称した.原発性コルチゾール不応症は全身性のGR異常により代償性に下垂体ACTH,ついで副腎皮質ステロイドホルモンの分泌亢進を来し,末梢におけるコルチゾールの代償性維持機構が作動していると考えられる.次いで筆者らもGR異常症の若年女性を,更にIidaら,Brönnegard,Lámbertsらも相次いで原発性コルチゾール不応症の一家系を報告している(表1)3).これとは別にKontulaらによりコルチゾール産生副腎腺腫を伴ったコルチゾール不応症が報告されている(表1).これらの報告例より高コルチゾール血症を示すにもかかわらずCushing徴候を欠如する原因として証明されたことは,標的臓器である末梢血単核白血球または培養線維芽細胞GRの検索により受容体の結合親和性の低下,不安定受容体,受容体のDNA結合の低下,および受容体数の減少と受容体の質的,量的異常である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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