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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 VI.代謝

18.有機酸尿症

著者: 成澤邦明1

所属機関: 1東北大学医学部・病態代謝学

ページ範囲:P.1988 - P.1991

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 有機酸尿症は酵素の遺伝的欠損に基づいて,それに関連した有機酸ないしその誘導体が血中や尿に大量に認められる疾患である.その主な疾患を表1に示した.これらの発生頻度の詳細は不明であるが,われわれが昭和60年に行った本邦における有機酸尿症の全国調査によれば,過去10年間の有機酸尿症の総数は148例で,そのうち頻度の高いものは高乳酸血症(67例),メチルマロン酸血症(47例),プロピオン酸血症(18例),イソ吉草酸血症(6例)であった.最近では毎年少なくとも20例以上の新しい症例が見いだされている.
 有機酸尿症の多くはその発見が遅れ早期治療がなされないときは,精神発達の遅れや時には命取りになることも少なくない.したがって早期診断が重要であるが,現時点では診断基準はまだ作成されていない.有機酸尿症の診断基準作成の難しさは,各疾患に特異的な症状や臨床検査所見に欠けており,診断の大部分が尿や血中の有機酸分析に依存していることによると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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