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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 VII.血液

14.慢性骨髄増殖症候群

著者: 柴田昭1

所属機関: 1新潟大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2036 - P.2039

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 慢性骨髄増殖症候群(chronic myeloproliferative disorders;CMPD)は,1951年Dameshekの提唱による1)もので,彼はこの症候群に属する疾患として,表1の①〜④までのものを挙げた.その後,⑤のCMMoLをこれに含めようという動きもあるが,本症は白血病に関するFAB分類(French-American-British Classification)のmyelodysplastic syndrome(MDS)の一員として取り扱われているので,本稿では省略する.代わって本稿では,CMLのvariantとも考えられる慢性好中球性白血病(chronic neutrophilic leukemia;CNL)について付言することとする.
 近代的な意味での造血幹細胞の概念が出る以前に,このような症候群を提唱したことは,今日からみればまことに卓見であったというべきである.Dameshekがこのような概念に到達するに至った動機は,長年にわたる多数の症例の綿密な検討の結果,次の2点に注目したためである.すなわち,①骨髄は出血や溶血などの刺激に対して,ある1つの細胞系統(cell lineage)で反応することはむしろ珍しく,全体(en masse)として反応する特質をもっていること,②表1に掲げた疾患は経過中に相互に移行することが少なくないこと,の2点である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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