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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 VIII.膠原病・免疫・アレルギー

7.Behçet病

著者: 橋本喬史1 本間信1

所属機関: 1帝京大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.2098 - P.2100

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■診断基準(表1)
 ■疾患概念と疫学
 Behcet病は,滲出傾向の強い急性炎症を反復しつつ遷延性経過をとる.1937年にH. Behçetにより口腔粘膜,眼,外陰部の再発性潰瘍を主徴とした1疾患単位をなすものとして報告され,眼病変については最初は上強膜炎や角膜潰瘍が重視されたが,そののち前部および後部ぶどう膜炎が本質的なものであることに修正された.その後の臨床観察例の増加に伴い,Behcet病の病変は口腔粘膜,眼,外陰部にとどまらず,皮膚,関節,副睾丸,消化管,血管,中枢神経,肺,腎などをも侵す全身病であることが判明し,失明率の高さや少なからざる致死例の存在から,多大な社会的関心が寄せられるようになった.
 Behçet病の病因については,遺伝的素因の解明が進み,HLA-B51の保有率が高いことが明らかとなった.しかし,家族内発生は2%前後にすぎず,遺伝的素因に何らかの環境因子の影響が加わることにより発病するものと考えられている.環境因子としては,ウイルス感染や微量化学物質の影響についての多くの研究がなされてきたが,確証が得られず,現在わが国では細菌とくに連鎖球菌の感染を重視した研究が進められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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