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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 IX.腎・尿路

13.呼吸性アシドーシス,アルカローシス

著者: 飯野靖彦1 丸茂文昭1

所属機関: 1東京医科歯科大学・第2内科

ページ範囲:P.2148 - P.2149

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■疾患概念
 呼吸性アシドーシスとは,PaCO2が増加し,血液のH+増加あるいはpH減少(アシデーミア)を生ずる病態である.また,逆に呼吸性アルカローシスとは,PaCO2が減少し,血液のH+減少あるいはpH増加(アルカレーミア)を生ずる病態である.前項の代謝性変化と異なることは,原因が呼吸器(肺)にあることである.
 呼吸性アシドーシス,呼吸性アルカローシスでは,基本的変化として表1に示すようなPaCO2の増加あるいは減少があり,これに反応して腎での代償が生じ,HCO3-の増加あるいは減少を生ずる.ただし,代謝性変化による呼吸性代償とは異なり,呼吸性変化による腎での代償には数日を要する.つまり,急性と慢性の呼吸性酸塩基障害では,その代償の程度が異なる.急性変化においては,呼吸性アシドーシスあるいは呼吸性アルカローシスも,ともにPaCO2の変化に対し0.75の〔H〕変化を生ずる.これは体内での炭酸-重炭酸系緩衝系以外の緩衝作用(骨,赤血球,蛋白)によるものである.慢性になると腎でのHCO3-産生が代償作用として変化し,表1に示したHCO3-の変化が生ずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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