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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 IX.腎・尿路

15.Fanconi症候群

著者: 折田義正1 山内淳1 鎌田武信1

所属機関: 1大阪大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2153 - P.2153

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■概念
 1936年Fanconi1)が最初にまとめた本症の概念は,発育障害を伴うくる病で,尿蛋白,腎性糖尿,低リン血症がみられるというものであった.シスチン蓄積症(cystinosis)と同一視された時期もあった(Lignac-Fanconi症候群)が,その後表1に示すごとく,種々の先天性代謝異常症や薬物中毒などの後天性疾患でも同様の症候を起こしうることが明らかとなった.現在では,主として近位尿細管におけるアミノ酸,ブドウ糖,リン酸,重炭酸,尿酸,低分子量蛋白,K,Ca,Na,Mg,水など多彩な再吸収障害を特徴とする尿細管疾患として捉えられ,古典的概念で最も特徴的であったくる病様の骨病変は必ずしも必須とされない場合が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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