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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 IX.腎・尿路

22.紫斑病性腎炎

著者: 酒井糾1

所属機関: 1北里大学医学部・泌尿器科

ページ範囲:P.2166 - P.2167

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■診断基準(表1)
 ■疾病本態の歴史
 アナフィラクトイド紫斑病の最初の報告は19世紀初期にさかのぼり,William(1808)が四肢の浮腫と紫斑を伴ったものをpeculiar visceralcrisesとして記載したのが始まりといわれている.その後30年を経過して,Schönleinが関節痛を伴った紫斑病を"peliosis rheumatica"として報告し,続いてHenoch(1874)が消化器症状を伴う紫斑病4例を報告した.
 1900年代に入り,Frank(1915)が本疾患に対し,初めてアナフィラクトイド(anaphylactoid)という言葉を適用し,Osler,Glanzmannらの支持をうけて,一応アナフィラクトイド紫斑病(anaphylactoid purpura)としての症候論が確立された.その頃Henoch,Oslerらにより,本疾患に腎炎症状を合併することが指摘され,腎不全例や死亡例も報告された.しかしながら,最初の報告からすでに180年を経過した現在,未だ発症機序に対する定説がなく,治療法も対症療法の域を出ていないのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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