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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 IX.腎・尿路

29.慢性腎不全

著者: 川口良人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学・第2内科

ページ範囲:P.2180 - P.2181

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■診 断1)
 1)血清クレアチニン濃度が2mg/100ml以上を持続しているもの.
 2)血清クレアチニンを測定していないときは,血液尿素窒素(BUN)が20mg/100ml以上であるか血清残余窒素(NPN)が30mg/100ml以上を持続しているもの.
 診断基準使用のポイント BUNのみで腎不全の確定診断を下すことは適切ではなく,必ず血清クレアチニン濃度を用いるべきである.なぜならばBUNは低栄養,感染症,発熱,消化管出血,消耗,ステロイド使用など生体が異化亢進状態にある場合,また脱水により体液量が減少している場合に腎機能以上に上昇するからである.NPNは測定法が繁雑であり,臨床的診断価値はない.血清クレアチニンは個体の筋肉量に依存して正常値に多少の個体間の差は存在するが,血清濃度は安定しており,臨床的には糸球体機能を直接反映するものとみなすことができる.すなわち,血清クレアチニン濃度が正常域以上にあるならば糸球体濾過値GFR(クレアチニン・クリアランスで代行)は50%(正常を100%とした場合)以下と考えることができる(図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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