icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 IX.腎・尿路

32.アルミニウム骨症

著者: 井上聖士1

所属機関: 1兵庫医科大学・人工透析部

ページ範囲:P.2185 - P.2185

文献購入ページに移動
■疾患概念と疫学
 1976年Alfrey1)らが見当識障害,痴呆などを呈した透析患者の脳組織にアルミニウム(Al)が高濃度に含まれていることを発見,透析脳症の原因を脳のAl中毒と報告した.その後,これらの患者に高頻度に治療抵抗性の骨軟化症の合併がみられ,これもAlによる骨化障害によることが解明されAl骨症と呼ばれるようになった.
 わが国でも,とくに水道水中のAl含有量の多い地方(200ppb以上)や,高リン血症治療に用いるアルミゲルを多量に服用した透析患者でAl骨症の発生が散見されたが,Al骨症の概念が広く知れわたり,予防策が講じられてからは,重症なAl骨症の発生は著減している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?