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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 X.神経・筋

3.Subcortical Arteriosclerotic Encephalopathy(いわゆるBinswanger病)

著者: 東儀英夫1

所属機関: 1岩手医科大学・神経内科

ページ範囲:P.2202 - P.2203

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■疾患概念と疫学
 この病態はBinswanger(1894)によって最初に記載されたものであり,脳血管障害による白質の禰漫性の脱髄を主要所見とする.Encephalis subcorticalis chronica progressiva(Binswanger,1984),subcortical arteriosclerotic encephalopathy(Olszewski,1962)あるいはBinswanger病とも呼ばれる.しかし,Binswangerの報告は肉眼所見の記載のみであったため,のちにさまざまな解釈の余地を残した.本来は病理学的な概念であるにもかかわらず,病理学的な定義も厳密になされていない.Binswanger病という名称を避けるべきであるという意見もある.しかし,CTやMRIが用いられるようになってから,CT上,白質の瀰漫性の低吸収域を呈する例,あるいはMRIでperiventricular hyperintensityを示す例をBinswanger病として扱った論文が多数みられるようになった.
 そこで,現在どのような例がBinswanger病として扱われているかを念頭において,診断基準(案)(表)を作成した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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