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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻10号

1988年09月発行

文献概要

増刊号 診断基準とその使い方 X.神経・筋

11.Acute disseminated Encephalomyelitis

著者: 塚田直敬1

所属機関: 1信州大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.2218 - P.2219

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■疾患概念および疫学
 Acute disseminated encephalomyelitis(ADEM)は臨床的に感染後あるいはワクチン接種後に,多彩な責任病巣に基づく神経症状を呈するもので,急激な炎症症状を伴って発症し,通常再発は認められず,単相性の経過をとる疾患である.病理学的に中枢神経系に散在性に静脈周囲性の脱髄を伴う炎症性細胞浸潤が認められる.
 発生頻度は日本では比較的稀な疾患1)であるとされているが,欧米では多発性硬化症(MS)が多いことに対応して,ADEMは稀な疾患ではないとされている2).疫学的に感染およびワクチン接種による特異的な流行の局在性は認められない.死亡率は25〜30%で,後に神経症状を残すものが30%あるとされる.ADEMは成人よりも小児期によくみられることが多い3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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