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増刊号 診断基準とその使い方 XI.小児
23.アトピー性皮膚炎
著者: 阿南貞雄1 吉田彦太郎1
所属機関: 1長崎大学医学部・皮膚科
ページ範囲:P.2346 - P.2347
文献購入ページに移動 アトピー性皮膚炎の診断基準については,さまざまな提案がなされているが,すべてが満足できるものは確立されていない.それは本症の病因,発症機序が完全に解明されておらず,意見の統一をみていないためである.
アトピー性皮膚炎なる名称をはじめて提唱したのはWiseとSulzbergerで,1933年のことである.当時彼らは,気管支喘息やアレルギー性鼻炎などと同様に,本症もアトピー型のアレルギー反応によって発症すると考えた.しかし,I型アレルギーを代表する「アトピー性」という形容詞を「皮膚炎」という別の次元の概念,すなわち形態学的所見を根拠とした症候名に結合したために,一種の自己矛盾を内包することになった.
アトピー性皮膚炎なる名称をはじめて提唱したのはWiseとSulzbergerで,1933年のことである.当時彼らは,気管支喘息やアレルギー性鼻炎などと同様に,本症もアトピー型のアレルギー反応によって発症すると考えた.しかし,I型アレルギーを代表する「アトピー性」という形容詞を「皮膚炎」という別の次元の概念,すなわち形態学的所見を根拠とした症候名に結合したために,一種の自己矛盾を内包することになった.
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