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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻11号

1988年10月発行

文献概要

今月の主題 抗生物質の使い方 抗生物質投与の原則

併用療法の意義と選択

著者: 増田剛太1

所属機関: 1東京都立駒込病院・感染症科

ページ範囲:P.2410 - P.2411

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 抗生物質併用の臨床的意義をまとめてみると,①抗菌力の増加(相乗効果),②抗菌スペクトルの拡大,③抗生剤不活化酵素産生菌対策(β-ラクタム抗生剤+β-ラクタマーゼ阻害剤の併用など),④複数菌感染(混合感染)症の治療,⑤耐性菌発現の阻止,⑥投与量依存性副作用の軽減に対する期待,などが挙げられる.
 今日,数多くの抗生物質が実用化されており,その各々が抗菌力,吸収,体内分布,代謝,副作用などの面でさまざまな特性をもつ.これらの薬剤をいかに効果的に使用しうるかは,臨床家に与えられたきわめて重要な命題である.臨床の場では,抗生剤投与開始時に原因菌とその薬剤感受性が未明のままEmpirictherapy「見込み投与」が行われることが多い.たとえば,顆粒球減少宿主に発症した重症細菌感染症はきわめて深刻な緊急事態であり,これらの原因菌が特定できない症例に対しては,より強力な抗菌効果と幅広い抗菌スペクトルを期待して,複数抗生物質の併用療法が開始される傾向がある.また,原因菌が同定され,併用療法の有効性が確立している感染症があるが,これらはいうまでもなく併用療法の適応である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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