文献詳細
文献概要
今月の主題 抗生物質の使い方 抗生物質投与の原則
異物の存在と感染症の治療
著者: 川名林治1
所属機関: 1岩手医科大学・細菌学教室
ページ範囲:P.2428 - P.2429
文献購入ページに移動 異物の存在がしばしば感染症を誘発し,また感染症の治療に障害をきたすことは周知のとおりである.とくに最近は種々の重篤な基礎疾患を有する患者に,さまざまな手術,処置,検査などが実施され,これらが異物として反対の働きをなし,本来の目的からはずれて,感染症を誘発することが少なくない1,2).この際には,原因となる異物を除去することを原則とし,またカテーテルなどの長期挿入を可及的避ける一方で,局所の消毒や感染防御に留意し,万一感染が起こった場合は,起因菌の分離・同定と,感受性試験の実施を行い,その結果をもとに,抗生剤の特性を考慮して,積極的な化学療法をすすめることが大切である3).
掲載誌情報