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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻11号

1988年10月発行

文献概要

今月の主題 抗生物質の使い方 抗生物質投与の注意事項

抗生物質と肝障害

著者: 溝口靖紘1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第3内科

ページ範囲:P.2468 - P.2470

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 薬物による肝障害は,大きく2つのカテゴリーに分類される.1つは,薬物の直接作用,あるいは薬物代謝異常による中毒性肝障害で,投与量に比例して肝障害が起こり,服用したヒトに肝障害が高頻度に発生し,動物実験でも同様の肝障害を再現しうるものである.もう1つは,過敏反応に基づいて肝障害が起こり,服用したヒトのうち,少数の感受性をもったものにのみ肝障害が起こり,また薬量依存性がなく,少量の薬物服用によっても肝障害がひき起こされるものである.実際の臨床面では,薬物アレルギーに起因する肝障害のほうがはるかに重要である.その理由として,薬物アレルギーによる肝障害は,新薬発売の増加と,本邦における患者末梢血リンパ球の培養法による診断法が確立され,増加しつつあることが挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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