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カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
心室中隔基部の菲薄化を特徴とする心サルコイドーシスの1例
著者: 大木崇1 福田信夫1 河野智彦1 小川聡1 細井憲三1 森博愛1
所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.2516 - P.2523
文献購入ページに移動1)心音図と頸動脈波曲線(図2)
洞調律時(A)と房室解離時(B)における心尖部(Apex)と第4肋間胸骨左縁(4L)の同時記録心音図および頸動脈波曲線を示す.いずれも同一gainで記録したものである.
洞調律時(A)の心音図では,II音の著しく幅広い分裂と心尖部の高調な収縮期雑音(SM)の2点が重要である.II音分裂間隔は呼気息止め時に100msecと著しい延長を示すが,著明に幅の広い右脚ブロツク型のQRS波およびQ-IIA時間(425msec)が正常であることを考慮すれば,その原因は右脚ブロックに伴うIIP出現の遅れにあると判断できる.心尖部の収縮期雑音は高調で,かつII音大動脈弁成分(IIA)まで持続している点より,逆流性雑音,すなわち僧帽弁閉鎖不全雑音と考えられる.ただし,前半の漸増・漸減型の成分には駆出性雑音が重畳している可能性が強い.
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