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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻12号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患診療の実際 糸球体腎炎—その診断と治療

腎炎の増悪因子

著者: 大里紳一郎1 小野山薫1

所属機関: 1九州大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.2592 - P.2593

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 慢性糸球体腎炎の多くは,免疫学的機序により発症し,これに関連した炎症反応,糸球体内血液凝固などの機転が糸球体の組織障害に関与していることが知られている.腎炎の増悪因子として,①急激に腎機能を悪化させるが,多くの場合,可逆的であるもの,②緩徐ではあるが,腎機能障害の進行を促進するもの,がある.前者には水電解質の異常,ショック,心不全,大量出血などが,後者には高血圧,蛋白摂取量,脂質代謝異常,糖尿病,妊娠,高尿酸血症,腎盂腎炎,ある種の薬物などが増悪因子として作用している.
 慢性糸球体腎炎の病因やその後の遷延化については未だ不明な点が少なくない.したがって慢性糸球体腎炎の治療では,増悪因子を減少ないしは除去することによって,従来はnatural historyとして取り扱われていた部分を少しでも改善する試みが行われている.本稿では,腎機能障害促進因子として高血圧,食餌性因子について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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