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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻12号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患診療の実際 ネフローゼ症候群

IgA腎症—IgA腎症そのものははたして良性といえるのか

著者: 須賀孝夫1 堺秀人1

所属機関: 1東海大学医学部・第7内科

ページ範囲:P.2614 - P.2615

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 IgA腎症は慢性糸球体腎炎の病型の一つで,1968年,Bergerらにより報告され,現在,臨床病理学的に確立した一疾患として認められている.本症はわが国の成人における原発性糸球体腎炎の3割以上に認められ1),単一の疾患としては最大多数を占めている.また従来は比較的予後良好な腎炎と考えられていたが,最近では約15%の症例が腎不全に移行することがわかり,本邦では患者の絶対数が多いため,本症による腎不全患者が多数存在していると考えられ,腎不全対策上からも重要な疾患とされている.
 本疾患の病因は現在明らかでないため根本療法がなく,治療は予後判定に基づいた対象療法が主となっている2).しかしながら個々の症例の予後はまちまちで,臨床症状のみからの判断は困難で,現時点では本症の診断および予後判定には腎生検が必須となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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