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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻12号

1988年11月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患診療の実際 全身性疾患と腎

SLE腎症の治療—効果と副作用のバランスを考える

著者: 長沢俊彦1

所属機関: 1杏林大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2632 - P.2633

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 ループス腎炎(以下LNと略す)の根本的治療は,ステロイド剤を主とし,免疫抑制剤を従とする免疫抑制療法である(最近,免疫抑制剤のパルス療法が登場したが1),その評価はまだ今後の課題である).この治療に抵抗して末期腎不全に進行した時には,透析治療が導入され,さらに一部の例は腎移植が適応となる.
 上述の免疫抑制療法の普及によりSLEの生存率は顕著に改善されたが,一方では致死的な合併症や,大腿骨頭壊死のように日常生活動作を著しく障害する合併症の増えてきたことも事実である2).最近ではステロイドの大量投与,とくにパルス療法は糸球体の増殖性病変は抑制するが,糸球体硬化を却って促進するのではないかとの本質的な懸念も一部でもたれている.このように,LNの免疫抑制療法はそのbenefit-riskの関係をめぐり反省期に入ったのが現状であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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