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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻12号

1988年11月発行

文献概要

消化器疾患診療メモ

肝性脳症が悪化したときにはまず何をしなければならないか?

著者: 上野文昭1

所属機関: 1東海大学大磯病院・内科

ページ範囲:P.2738 - P.2739

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 A氏は輸血歴のある60歳男性です.数年来,某病院にて肝硬変の診断をうけ,通院を続けていましたが,時折肝性脳症が悪化し,入退院をくり返していました.ある晩,意識不明の状態で救急外来に運ばれてきました.同居している家族の話によると,ここ数日どうも気分がすぐれず,イライラして落ち着かないことが多かったようでした.また風邪をひいたらしく微熱があり,胃の調子も悪くてほとんど摂食していないとのことでした.
 当直のB医師が呼ばれ診察したところ,患者は半昏睡の状態でしたが,バイタル・サインは安定し,黄疸なく,皮膚に出血斑はありませんでした.腹部は軽度の腹水貯留のためやや膨隆していましたが,圧痛や腫瘤を認めませんでした.下肢には浮腫はなく,むしろ乾燥気味でした.B医師は当然のごとく肝性脳性の診断のもとに,経鼻的に胃管を挿入しラクチュロースを投与し,経静脈的に肝不全用アミノ酸製剤と肝庇護剤の投与を始めました.また腹水に対し,利尿剤が経静脈的に投与されました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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