icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻13号

1988年12月発行

今月の主題 輸液・栄養療法

電解質輸液の基本的ルール

Mgの投与の考え方と実際

著者: 高橋進1

所属機関: 1日本大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.2782 - P.2784

文献概要

 マグネシウム(Mg)は細胞内に主として存在する陽イオンであり,体内において多種多様の生物学的に重要な作用をもち,細胞の構造や恒常性,さらに成長と生命維持に不可欠な電解質の一つである.また,細胞外液中のMg++の役割,すなわち,Ca++と協同して骨格筋の興奮一収縮,心筋の張力の調節作用なども見逃せない.このように,Mgの重要性は認識されているにもかかわらず,同じ2価イオンであるCa++やリンに比較するとなじみが薄い.これはMg単独かつ特有の症状,徴候が乏しく,共存する他の電解質異常に覆い隠されてしまうことが多いこと,Mg欠乏症の診断が難しいこと,また,Mg測定の頻度が少ないことなどによると考えられる.
 近年,Mgと循環器疾患との関連1)が注目されるようになり,とくに虚血性心疾患,抵抗性不整脈とMg摂取量との関係,Mg欠乏が高血圧を誘発すること,また,利尿薬投与時にMg測定の重要性などが報告されるに至り,Mg測定の重要性が脚光を浴びてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら