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今月の主題 輸液・栄養療法 栄養輸液の基本的ルール
高カロリー輸液(中心静脈注射)の適応と禁忌
著者: 小野寺時夫1
所属機関: 1東京都立駒込病院・外科
ページ範囲:P.2786 - P.2788
文献購入ページに移動■栄養輸液施行上の基本的条件
静脈栄養は,経管栄養を含めた経腸栄養が不可能な場合に行うことを原則とし,必要最低の投与期間にとどめるべきである.したがって,老人病院などで慢然と長期輸液を継続施行したり,術後経口摂取で間に合う状態になっても輸液を続けるなどは問題が多い.輸液を継続施行するために,かえって食欲の出ないことも少なくない.5%ブドウ糖液を500mlで100calでしかないし,アミノ酸液を投与しても同時にブドウ糖による十分なカロリー投与が伴わなければ,アミノ酸は蛋白合成に利用されずエネルギー源として消費される.また,輸液といえばビタミンを添加するという風習も反省する必要がある.経口摂取の多少の不足に対して,1日160〜200cal程度の補給をする際は,ほとんどビタミンの添加を必要としないことが多い.また,鼠径ヘルニアやとくに問題のない虫垂切除後などの輸液も,多くの場合数日以上を必要としないことが多く,ビタミンの添加の必要もない.
静脈栄養は,経管栄養を含めた経腸栄養が不可能な場合に行うことを原則とし,必要最低の投与期間にとどめるべきである.したがって,老人病院などで慢然と長期輸液を継続施行したり,術後経口摂取で間に合う状態になっても輸液を続けるなどは問題が多い.輸液を継続施行するために,かえって食欲の出ないことも少なくない.5%ブドウ糖液を500mlで100calでしかないし,アミノ酸液を投与しても同時にブドウ糖による十分なカロリー投与が伴わなければ,アミノ酸は蛋白合成に利用されずエネルギー源として消費される.また,輸液といえばビタミンを添加するという風習も反省する必要がある.経口摂取の多少の不足に対して,1日160〜200cal程度の補給をする際は,ほとんどビタミンの添加を必要としないことが多い.また,鼠径ヘルニアやとくに問題のない虫垂切除後などの輸液も,多くの場合数日以上を必要としないことが多く,ビタミンの添加の必要もない.
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