文献詳細
今月の主題 輸液・栄養療法
各種病態における輸液のあり方
文献概要
高齢者には水電解質異常をきたす病態が多い.また心肺機能,腎機能をはじめ諸臓器の機能低下があるために,体液調節系の応答の幅が狭く,しかも自覚症状が少ないために,知らぬ間に高度の体液異常をきたして,全身状態が悪化する場合が多い.
輸液療法の目的は体内環境のホメオスターシスの回復にあり,その基本は,①病態の把握と,②輸液の効果・副作用を認識し輸液の調節に還元するいわゆるfeedbackである.高齢者においては,輸液による体液是正がしばしば必要であるが,体液調節能が低下しているため,輸液の安全域が狭いことを考慮しなければならない.ショック状態や糖尿病性昏睡などのような緊急輸液の場合を除いて,1日あたり補正量の上限を水電解質の欠乏量の1/3とするのがよい.さらに,輸液に対するバイタル・サインと検査成績の変化を頻繁に監視し,輸液をきめ細かく調節すること,すなわちfrequent feedbackが大切である.
輸液療法の目的は体内環境のホメオスターシスの回復にあり,その基本は,①病態の把握と,②輸液の効果・副作用を認識し輸液の調節に還元するいわゆるfeedbackである.高齢者においては,輸液による体液是正がしばしば必要であるが,体液調節能が低下しているため,輸液の安全域が狭いことを考慮しなければならない.ショック状態や糖尿病性昏睡などのような緊急輸液の場合を除いて,1日あたり補正量の上限を水電解質の欠乏量の1/3とするのがよい.さらに,輸液に対するバイタル・サインと検査成績の変化を頻繁に監視し,輸液をきめ細かく調節すること,すなわちfrequent feedbackが大切である.
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