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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻13号

1988年12月発行

文献概要

今月の主題 輸液・栄養療法 各種病態における輸液のあり方

嘔吐,下痢の輸液

著者: 大石和久1 菱田明1

所属機関: 1浜松医科大学・第1内科

ページ範囲:P.2824 - P.2825

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 消化管臓器は,各種栄養素の消化吸収とともに,水・電解質の吸収を行い,生体の内部環境保持の一役を担っている.正常人では,1日に約8lの消化液の分泌があり,この分泌量の約50%が空腸で,30%が回腸で,残りが大腸で吸収される.消化液の電解質の特徴は,表に示すごとく,Na+濃度は唾液,胃液,腸液の順に高くなり,K+濃度は逆に順次低くなり,腸液でNa+,K+濃度は細胞外液とほぼ等しくなる.また,胃液は塩酸(HCl)が,膵液は重炭酸イオン(HCO3-)が主であることが特徴である.
 嘔吐・下痢時には,電解質を含有する胃液や腸液の喪失のために,1)種々の電解質異常,2)有効循環血液量の減少,3)酸塩基平衡異常などが生じる.これらには軽症のものから緊急に適切な治療を必要とするものまであり,その治療にあたっては,嘔吐・下痢の病態を把握して適切な処置を行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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