icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻13号

1988年12月発行

文献概要

カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

拡張期僧帽弁逆流を認めたannulo-aortic ectasiaの1例

著者: 大木崇1 福田信夫1 内田知行1 恵美滋文1 小川聡1 森博愛1

所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.2876 - P.2885

文献購入ページに移動
■心音図・心機図所見
 1)心音図と頸動胴皮曲線(図1)
 心音図は心尖部〔Apex,左第6肋間前腋窩線(6LAAL)〕,第4肋間胸骨左縁(4L)および第2肋間胸骨右縁(2R)の同時記録を示すが,重要な所見は次の4点である.①心尖部I音(I),すなわちI音僧帽弁成分の減弱,②II音の逆分裂と大動脈弁成分(IIA)の減弱,③2Rに最強の駆出性収縮期雑音〔SM(1)〕と拡張期逆流性雑音〔DM(1)〕,④心尖部に最強の全収縮期雑音〔SM(2)〕と拡張期ランブル〔DM(2)〕.
 I音僧帽弁成分の減弱は,本例における僧帽弁狭窄合併の有無を判断する好材料となる.一般に僧帽弁狭窄を合併すれば,僧帽弁の器質的変化がよほど著明でない限り,心尖部I音は亢進を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?