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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻13号

1988年12月発行

消化器疾患診療メモ

「早期診断」は本当に有用か

著者: 上野文昭1

所属機関: 1東海大学大磯病院・内科

ページ範囲:P.2908 - P.2909

文献概要

 「早期診断」の定義:ある疾患を症状発現以前にみつけること.
 (例1)A氏は一流企業のエリートサラリーマンでした.これまで仕事一筋に打ち込んできて体力には自信がありました.40歳になったのを機会に人間ドックを受けてみたところ,肝機能検査に異常があるといわれました.精密検査を受けるように勧められ,某院に入院し肝生検の結果,非活動性の慢性肝炎と診断されました.とくに治療の必要はないといわれたものの,どうしても肝炎のことが頭にこびりついて離れませんでした.これまで遅くまで仕事をしてクタクタに疲れてもたいして気に止めませんでしたが,これ以来すべて肝臓に結びつけるようになりました.仕事をしていても常に肝臓のことが心配で集中できず,休みがちとなり,ライバルが昇進していくのを横目で見ながら頻繁に休むようになり,ついに給与もカットされるようになりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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