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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻2号

1988年02月発行

文献概要

カラーグラフ 眼と全身病

トキソプラスマ症による網脈絡膜炎

著者: 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学・眼科

ページ範囲:P.316 - P.317

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 トキソプラスマ原虫Toxoplasma gondiiはマラリア原虫と似た原虫で,元来,家畜,野生動物の寄生虫であるが,しばしば人にも感染する.人に感染した場合,ほとんどはsubclinicalの症状を示すにすぎず,成人には本症の血清抗体陽性者が20〜30%あることから,本症の不顕性感染が多いことがわかる.発病は軽いと風邪様症状ですむことが多いが,重症では皮膚発疹,肺炎,肝炎,リンパ節腫脹,脳炎,熱発を来す.
 感染経路は,本症の虫体,虫卵をもつ家畜や野生動物の肉を生ないし半焼の状態で食べて起こる場合と,猫の腸管に原虫が寄生し,糞便中に虫卵を多数排出するので,乾燥した糞便中の虫卵は家内でほこりとなって経気道的に,または食物について経口的に人に感染する.一般には猫からの感染が多く,家のペット猫が感染源として注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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