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新薬情報
グラマリール〔フジサワ〕
著者: 清川重人1 水島裕1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科
ページ範囲:P.378 - P.379
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老年期脳障害患者では,脳病変の進行とともに知的機能の低下やそれに伴って種々の精神症状が出現する.このうち攻撃的行為,精神興奮,俳徊,せん妄などは,介護・治療上困難をきわめることから問題症状,異常行動と呼ばれ,知能低下の改善が期待できない場合でも,この異常行動を軽減することの臨床的意義は大きい,従来,このような異常行動に対して,脳代謝賦活剤やNeurolepticsが臨床的に用いられているが,脳代謝賦活剤の有効症状は,自発性低下や情緒障害などの自発性喚起にあるとされ,異常行動への効果は十分とはいえない.また,Neurolepticsでは,老年患者に対しては過鎮静状態をきたしやすく,錐体外路性副作用が出現しやすいなど,期待どおりの効果が得られないことが多い.
グラマリール(一般名:塩酸チアプリド)は,1972年フランスのSESIF研究所で開発されたアルキルスルフォン基を有する新しいベンザマイド系化合物である.当初開発国フランスでは,スルピリドと同様な作用を有するものと考え,精神分裂病,うつ病などの機能性精神病を対象とした臨床試験が実施されたが,とくに有用性は見出されなかった.
老年期脳障害患者では,脳病変の進行とともに知的機能の低下やそれに伴って種々の精神症状が出現する.このうち攻撃的行為,精神興奮,俳徊,せん妄などは,介護・治療上困難をきわめることから問題症状,異常行動と呼ばれ,知能低下の改善が期待できない場合でも,この異常行動を軽減することの臨床的意義は大きい,従来,このような異常行動に対して,脳代謝賦活剤やNeurolepticsが臨床的に用いられているが,脳代謝賦活剤の有効症状は,自発性低下や情緒障害などの自発性喚起にあるとされ,異常行動への効果は十分とはいえない.また,Neurolepticsでは,老年患者に対しては過鎮静状態をきたしやすく,錐体外路性副作用が出現しやすいなど,期待どおりの効果が得られないことが多い.
グラマリール(一般名:塩酸チアプリド)は,1972年フランスのSESIF研究所で開発されたアルキルスルフォン基を有する新しいベンザマイド系化合物である.当初開発国フランスでは,スルピリドと同様な作用を有するものと考え,精神分裂病,うつ病などの機能性精神病を対象とした臨床試験が実施されたが,とくに有用性は見出されなかった.
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