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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻3号

1988年03月発行

文献概要

今月の主題 消化性潰瘍とその周辺 消化性潰瘍の治療

治癒速度論による薬効評価

著者: 笠野哲夫1 吉田行雄1 広瀬完夫1 木平健1 鈴木勉1 木村健1

所属機関: 1自治医科大学・消化器内科

ページ範囲:P.455 - P.457

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 抗潰瘍薬の従来の薬効評価の判定基準は,しかるべき投与期間での累積治癒率を見るというきわめて単純なものである.この方法は,ある一点の時間的な断面での統計的数値に過ぎず,その時点に至るまでの過程の評価は,一切行われていないのである.したがって潰瘍の治癒過程の経時的評価には,治癒率を時系列的に,dynamicに解析することが望ましいのである.
 今,累積治癒率を時間の関数として表示できれば,全過程を通じての治癒の時間的変化を表す適切なパラメーターを求めることが可能となる.しかもこのパラメーターは,各々治癒速度を意味するものであり,この操作により薬剤をはじめとする多くの治癒を規制する因子の数量的解析が可能となると考えられる.そこで,従来までのstaticな方法に代わり,潰瘍の治癒過程を時系列的に,dynamicに評価する方法として,潰瘍の治癒速度の統計学的解析を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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