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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻3号

1988年03月発行

文献概要

今月の主題 消化性潰瘍とその周辺 消化性潰瘍と類縁疾患

急性潰瘍と慢性潰瘍の概念

著者: 福地創太郎1

所属機関: 1虎の門病院・消化器科

ページ範囲:P.470 - P.472

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 単に胃潰瘍,十二指腸潰瘍というときは,慢性潰瘍を意味していることが多い.潰瘍は再発しやすい疾患であるとか,潰瘍症として捉えられる病態がそれである.他方,急性潰瘍は急性胃粘膜病変(AGML:acute gastric mucosal lesion)あるいは急性胃病変を構成する病変であり,一般の胃潰瘍,十二指腸潰瘍とは,発生様式,内視鏡所見も異なり,短期間に治癒し,再発することも少ない点で,臨床的に異なった疾患と考える見解が,臨床家の間では有力である.しかし,昔から,びらんや急性潰瘍から慢性潰瘍が生ずるという見解は一部の学者にあり,現在でも,後記するように急性胃病変と慢性潰瘍の関連を想定する意見が一部にある.急性潰瘍と似て非なるものに,慢性潰瘍の急性増悪がある.また慢性潰瘍でも初発の潰瘍は未だ潰瘍底の線維化を伴わない急性潰瘍と,類似した組織像を示す時期があると推定されるが,これは通常の急性潰瘍とは別個に扱われるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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