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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻3号

1988年03月発行

文献概要

今月の主題 消化性潰瘍とその周辺 消化性潰瘍と類縁疾患

ストレス潰瘍

著者: 白浜龍興1 大庭健一1 箱崎幸也1

所属機関: 1自衛隊中央病院・内科

ページ範囲:P.474 - P.475

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 ストレス潰瘍とは種々のストレッサーにより引き起こされたストレス状態において,胃や十二指腸を始めとする上部消化管に発生した急性潰瘍で,精神的ストレスによる急性潰瘍,肉体的ストレス(厳しい訓練,運動など),熱傷患者にみられる急性潰瘍(Curling's ulcer)および頭部外傷,脳手術にみられる急性潰瘍(Cushing's ulcer)などが良く知られている.これらの中,我々内科の臨床医が日常の診療でよく遭遇するのは心労,心配事などの精神的ストレスや過労,苛酷な訓練などの肉体的ストレスなどによる上部消化管の急性潰瘍を含む病変がほとんどである.
 最近の消化管の内視鏡機器の開発,改良および普及は著しく,消化器症状を有する患者に対して緊急,または早期内視鏡検査が容易になされ,ストレス潰瘍の診断の機会は益々増えてくると考えられる.並木は1,2)精神的ストレスによる消化管の急性病変について多くの研究を行い,その胃粘膜の内視鏡所見は,急性胃潰瘍,出血性エロジオン,びまん性の粘膜出血の3つの形態を示し,それらが単独でみられたり,混在してみられたりすると述べている.筆者らは,不規則な食事,睡眠時間など非常に厳しい,苛酷な環境の下で行われる精神的にも肉体的にもストレスの多い,いわゆるレンジャー訓練(7週間)に際して胃や十二指腸の上部消化管に急性病変が発症してくることを経験している3,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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