文献詳細
文献概要
カラーグラフ 眼と全身病
真菌による眼内感染症
著者: 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学・眼科
ページ範囲:P.538 - P.539
文献購入ページに移動 免疫抑制剤,抗癌化学療法剤,大量の抗生物質やステロイド剤の長期投与で,個体の抵抗力や免疫性が低下した患者に日和見感染が起こりやすい.その結果,サイトメガロウイルスやトキソプラスマ原虫の感染による重篤な網脈絡膜炎を生じて失明例が多くなったことは本誌1,2月号の本欄で紹介した.
このような免疫能や抵抗力の低下状態にある患者が,中心静脈管栄養や点滴静注のために血管内留置カテーテルが長期間行われていたり,胸部・腹部臓器の手術後でドレーンが長期間留置されているときには,それをつたって,日和見感染の1つとして真菌感染が発生しやすい.外科の大手術,手術の反復実施のあとの患者にみられることが多い.真菌血症を起こし,全身の各部に真菌感染症を来すが,この際,真菌は血行性に網膜,脈絡膜,毛様体などの眼内組織にも定着し,そこに膿瘍を作り,激しい炎症を生じる.やがて炎症は眼内全組織に拡がり,とくに硝子体に膿瘍を生じ,眼内全組織の壊死と化膿を来す.真菌性眼内炎fungal endophthalmitisとよばれる.
このような免疫能や抵抗力の低下状態にある患者が,中心静脈管栄養や点滴静注のために血管内留置カテーテルが長期間行われていたり,胸部・腹部臓器の手術後でドレーンが長期間留置されているときには,それをつたって,日和見感染の1つとして真菌感染が発生しやすい.外科の大手術,手術の反復実施のあとの患者にみられることが多い.真菌血症を起こし,全身の各部に真菌感染症を来すが,この際,真菌は血行性に網膜,脈絡膜,毛様体などの眼内組織にも定着し,そこに膿瘍を作り,激しい炎症を生じる.やがて炎症は眼内全組織に拡がり,とくに硝子体に膿瘍を生じ,眼内全組織の壊死と化膿を来す.真菌性眼内炎fungal endophthalmitisとよばれる.
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