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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻4号

1988年04月発行

文献概要

今月の主題 今日の心不全診療 薬物治療—適応,使い方,副作用

抗不整脈薬

著者: 山口巖1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科

ページ範囲:P.630 - P.632

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■心不全患者に対する抗不整脈薬療法の適応
 心不全患者の不整脈には,原因疾患による不整脈(たとえば弁膜疾患の心房細動),あるいは心不全の原因となる不整脈(たとえば肥大型心筋症の心房細動)と,心不全に起因する新たな不整脈(たとえば心室性期外収縮の頻発から心室頻拍への移行)がある.したがって,心不全と不整脈は,それぞれが原因となり,結果になりうる.
 抗不整脈薬使用の目的は,主として発作性頻拍の停止と予防および期外収縮の抑制にある.抗不整脈薬,とくにVaughan Williams分類のIA,IIおよびIV群薬は陰性変力作用を有し,心収縮力を低下させることにより心不全を誘発する可能性がある.抗不整脈薬療法の中止によって心不全が改善した結果,不整脈が改善・消失することもある.心不全患者の抗不整脈薬療法の複雑性は,これらの点にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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