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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻4号

1988年04月発行

文献概要

実践診療do's and dont's

古典的治療? Phlebotomy/Don't give nitroglycerin

著者: 代田浩之1

所属機関: 1順天堂大学循環器内科

ページ範囲:P.649 - P.649

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 急性左心不全の治療として,近年は新しい強心剤や血管拡張剤さらにECUMや補助循環などが注目されているが,単純な古典的方法が著効を示すこともある.
 数年前のことだが,60歳の男性が呼吸困難を主訴に来院した.起坐呼吸状態でチアノーゼを認め,全肺野に湿性ラ音を聴取した.胸部X線では肺水腫の状態で,とりあえず酸素吸入,塩酸モルヒネ,利尿剤,さらに強心剤,血管拡張剤を投与した.しかしながら患者はすぐには利尿がつかず,次第に不穏状態になって行く.カルテをみると腎不全を基礎疾患として持ち,近いうちに透析導入を避けられないと言う.利尿剤が効きにくいわけだ.ECUMの準備ができる前にこのままでは挿管,PEEPが必要になるかもしれないと思いながら,150 mlほどphlebotomyをした.まもなくすると自覚症状がかなり軽減して,そのうち利尿もつきはじめ,なんとかその場をしのぐことができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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