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今月の主題 今日の心不全診療 基礎疾患による治療法の選択
拡張型心筋症と類似疾患
著者: 土持英嗣1
所属機関: 1東京大学医学部第3内科
ページ範囲:P.654 - P.655
文献購入ページに移動 拡張型心筋症は別名うっ血型心筋症ともいわれ,高度の心拡大(拡張)と心機能障害による心不全を主徴とする.いわゆる特発性拡張型心筋症(idiopathic dila-ted cardiomyopathy)とは原因不明のものを指し,これに対し原因の明らかなものを特定心筋疾患(specificheart disease)として区別する.
一般に"拡張型心筋症"は"特発性拡張型心筋症"と同義に用いられており,本項では"類似疾患"を特定心筋疾患において拡張型心筋症様の様相を呈する心病変と定義する.両者とも,その終末像は重症の心不全であり,その治療法は基本的には他の心臓疾患における心不全に対する治療と同じである.ただ,特発性心筋症はその原因が不明であることより,特異的治療法がなく予後も悪いため,心移植の適応が考慮される特異な疾患といえる.一方,類似疾患の一部においては,特異的な治療により劇的な改善をもたらすことがある.そこで拡張型心筋症様の様相を呈した症例では,まず始めにその鑑別診断が重要となってくる.
一般に"拡張型心筋症"は"特発性拡張型心筋症"と同義に用いられており,本項では"類似疾患"を特定心筋疾患において拡張型心筋症様の様相を呈する心病変と定義する.両者とも,その終末像は重症の心不全であり,その治療法は基本的には他の心臓疾患における心不全に対する治療と同じである.ただ,特発性心筋症はその原因が不明であることより,特異的治療法がなく予後も悪いため,心移植の適応が考慮される特異な疾患といえる.一方,類似疾患の一部においては,特異的な治療により劇的な改善をもたらすことがある.そこで拡張型心筋症様の様相を呈した症例では,まず始めにその鑑別診断が重要となってくる.
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